将棋の藤井聡太王座（22）=名人、竜王、王位、棋王、王将、棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段（32）が挑戦している第72期王座戦五番勝負（日本経済新聞社主催）の第2局が18日、名古屋市中村区の「名古屋マリオットアソシアホテル」で指され、先手番の藤井王座が午後7時48分、123手で勝ち、シリーズ成績を2勝0敗とし、王座のタイトルの初防衛まで、あと1勝とした。第3局は30日、京都市東山区の「ウェスティン都ホテル京都」で指される。
前期の王座戦は、当時の永瀬王座に対し、王座以外の七冠を保持した藤井挑戦者が挑む構図。藤井挑戦者が3勝1敗でシリーズを制し、将棋界に現在、八つあるタイトルを全て保持する、史上初の「八冠独占」を達成した歴史的なシリーズだった。
今期は、王座と挑戦者という立場を入れ替え、同じ顔合わせに。藤井王座と永瀬挑戦者は研究会仲間で、手の内を知る者同士の高レベルの戦いが期待されている。
今期王座戦第2局の戦型は、両者得意の「角換わり腰掛け銀」。午前9時の対局開始から、午後0時10分の昼食休憩開始までの間に約80手も進行。両者の研究の深さが、早い着手に現れてみえる場面だった。
その後は、藤井王座がリードをつかみ、着実に拡大し、勝ちきる展開だった。
終局後、両対局者は現地で催された大盤解説会場に足を運び、感想を述べた。
勝った藤井王座は「本局は角換わりから、かなり激しい攻め合いの展開になって、こちらが少し自信が無い局面もあったんですけれど、最後は際どく勝つことが出来たのかな、というふうに思います。また、第3局が2週間後にあるので、そちらに向けて、しっかり準備をしていきたいと思います」と語った。
敗れた永瀬九段は「角換わりの将棋で、一応、こちらの注文という形だったんですけど、▲4六香とされて、激しい将棋だとは思ったんですけど、うまく対応できずに、途中からは少しずつ差がついてしまったかな、と思います。（カド番に追い込まれて）厳しい状況になりましたが、3局目も頑張りたいと思います」と述べた。（佐藤圭司）
